こんにちは。Kです。

皆さんは表題を見てどのような人を想像するでしょうか。

「きっと性格が歪んでいる人に違いない」

このように思われたのではないでしょうか?

いいえ、違います。

実は誰でも持ちうる感情なのです。

それではこの感情について深掘りしていきましょう。

1.感情名

この感情は「シャーデンフロイデ」と呼ばれています。

2.実は幸せホルモンと関連

意外なことに、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」がこのシャーデンフロイデという感情に深く関わっていることが分かっています。では、この一見関連がなさそうなオキシトシンはシャーデンフロイデにどのように関わっているのでしょうか?

3.オキシトシンの本質

オキシトシンは愛と絆を形成したり、人に安らぎや癒しを与える役割が一般的に知られています。しかし、その本質は
「人との繋がりを強める(愛着を形成する)」働きです。この働きが裏目に出る瞬間があります。それは

「人と人との繋がりが切れそうになる瞬間」

です。

4.つながりが切れそうな時

オキシトシンは「人と人との繋がりが切れそうになる瞬間」にそれを阻止しようとする役割があります。
例えば、子供が親から独立する時、恋人と別れそうな時、部下が仕事を辞めそうな時、部活やサークルなどの集団が崩壊しそうな時などです。

5.集団の崩壊パターン

オキシトシンは共同体が壊れそうな時にそれを阻止しようと働きます。

共同体が壊れるパターンは二つあります。それは、外部と内部です。

外部から壊されるパターンは例えば、攻撃に屈したり(戦争)、リソースを奪われたり(強盗)といったものです。

そして、内部から壊れるパターンはなんらかの理由で集団のルール(規範)を守れないもの、もしくは守らないものです。
ルールを守らないものは集団の労力で得られた利益を、労力を提供せずに享受してしまいます。そういった人が増えるとやがて、労力を提供していたものたちがその労力に見合った利益を得られず、つぶれていきます。その結果崩壊してしまうのです。

この内部崩壊を防ぐためには、誰かがルールをやぶった者に対して、罰を与えたり、集団から追い出す「利他的懲罰」を行う必要があります。

しかしこれらの行為には集団の利益にはなっても、個人単位で見るとメリットがありません。それどころか恨みを買い、報復を受けるリスクすらあります。では、メリットを何で得ているのか。これが「シャーデンフロイデ」という感情なのです。執行者はルールを破ったものを罰することで感情の昂りを促す「ドーパミン」や「オキシトシン」が大量分泌され、その結果得られる快感という報酬を得ているのです。

この快感は凄まじいもので、得るために通常なら躊躇してしまいそうな残酷な行為すらも行えてしまいます。例えば、社会問題となっているいじめや宗教戦争、そしてSNSでの誹謗中傷といったものです。

6.まとめ

このことから、「誰かが失敗した時に快感を感じてしまう人」というのは、ルールに厳しい(規範意識が高い)人、言い換えると協調性が高い人に多いと言えます。

そしてこの「シャーデンフロイデ」は誰もが少なからず感じてしまう感情なので、他人の「シャーデンフロイデ」について糾弾するのではなく、自分自身にそういった傾向があることを自覚し、それを感じるための行動をしていないか振り返ってみると良いのではないでしょうか?他者の「シャーデンフロイデ」を攻撃することはそれ自体が「シャーデンフロイデ」なのですから。


今日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


K


※写真はO-DANのフリー素材より

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